(テイスト・オブ・フリーランス)
T.O.Fで活躍する義足のレーサー  ヒルカワさん

JDRA

テイスト・オブ・フリーランス


ここに一人のレーサーがいる。先日NHKの福祉ネットワークでも紹介された肥留川さんだ。彼もまた、色々な峠を越えて来たライダーである。それ以上に会社経営や家族のこともありながら、今もレースにこだわるのは、「自分」へのこだわり故だろうか?100%安全なナイフや自動車・飛行機はない。オートバイレースも然り。だからこそ、自らのテクニック向上や心身の鍛錬が大事ですね。簡単に色々な批評をするのはいいです、けれど、そういう意識こそ、今迄「障害者」を枠にキッチリ嵌め来たものでもあります。色々なことに挑戦出来る社会は又、色々失敗も出来る社会だ。レースでも転倒は付き物だ。それと障害者とは関係しない。「障害者」だから1周少ないレースではない。全て同じ条件なのだ。

可能性を示して頂いたヒルカワ氏に感謝いたします。              2005年11月03日


うーん 真ん中やね


【はじめに】
皆さん、初めまして!「復帰ライダー」の項に私の経験等、申し上げたいと思います。
少しでも参考になれば幸甚です。


【障害について】
私は、平成10年の10月28日に普通貨物自動車の助手席にて交通事故に遭い「左下腿欠損」という障害を持つことになりました。その前に、大型2輪免許を持っていました。
私は、若い頃からモータースポーツが好きでしたので高校を抜け出し仲間とサーキットに行ったりしたものでした。
年も重ね、過去のサーキット走行を生かし、某大きな草レースにエントリーを考えていたところに障害を持つ身体になったわけです。先日の番組(NHK福祉ネットワーク)をご覧頂いた方は分かると思いますが、受傷後の私は以前にも増して、オートバイに力を入れてきました。


私のオートバイは、過去に受傷後、FZX750改やT-MAXが公道でのエンジョイライフの乗り物でしたが、様々な事情により、公道走行出来るオートバイは現在のところ所有していません。そこで、サーキット走行をしているオートバイの改造点をご説明します。
私のサ-キット走行しているものは、ヤマハFZR400R(87年式)です。


【シフトペダル】
が操作出来ないため、リンクやベアリングを使い、加工し、右側のペダルで操作するようになっています。その際、メインシャフト(左から右に貫通するシャフト)は、10mm程度のものが良いです。材質はSUS。両端に余裕をもった、ネジ山を立て、一方が出っ張った金具(後にリンクさせるための金具)を、その前後のナットでWナット固定をします。ピロボールを使い、チェンジシャフト部と右チェンジペダルを結べば、右チェンジの完成です。


【Rブレーキ】
私の方法を使う場合、クラッチはワイヤー式、Rブレーキは油圧(ディスク)ブレーキに適しています。タンク別体のクラッチマスター(5/8)を使いますが、このとき、レバーを切断し、短く(モトクロスのパワーレバーのように)します。そこで、クラッチマスターの下に、ワイヤーのレバーベースをいらないところを削り取り、平行に取り付けします。このとき、L型のステー(強固な材質の物)を使うと、平行が出しやすいです。ワイヤークラッチレバーは、付け根で切断します。材質の強固な金属の棒状なものをつけ、先程の油圧レバーと同じ高さになるようにM8以上のSUSボルトでクランクするように上げ、高さを調整します。高さを調整したものに切断したワイヤークラッチレバーの残った部分をネジ接合すれば、左手に2本レバー、内側Rブレーキ、外側クラッチのWレバーの完成です。メッシュホースは、バイクショップで長い物を作製してもらいましょう。


【レースの規則】
MFJ(日本モーターサイクル協会)の車両レギュレーションで、レバーの長さが決まっています。レースの場合は、気をつけてください。
分かりづらいと思いますが、使ってみたい方は、お話頂ければ、実車を交えてご説明いたします。
下記に連絡先を載せますので、コンタクト下さい。 



                                         
埼玉県鴻巣市大字郷地2615  Tel 048−542−5817
                     Fax 048−542−0187
                                       
  (有)肥留川興産   hirukawa-kousan@sage.ocn.ne.jp
                                       
    弊社HP        
http://happytown.orahoo.com/hirukawa/
                                        


ごっつぅ、ええ感じ
當麻由依さん 


この記事はヒルカワさんのHPから掲載です。
放送後記(NHK教育)
平成17年7月11日(月)PM8:00〜 NHK教育「福祉ネットワーク」
     7月18日(月)PM1:20〜 NHK教育「福祉ネットワーク(再放送)」

皆様に、ご覧頂きましたNHK教育「福祉ネットワーク」上記放送の日程を消化致しました。ここで放送後期として、一言述べさせていただきます。

放送では大変な反響があり、色々な掲示板や私のHPに沢山の書き込み等頂きありがとう御座いました。本放送をご覧になられた小学校での恩師やメールや電話を頂いた仲間達。この放送は自分にとっても大変戒めになる大きな物だったと痛感しております。昨日の再放送も見させて頂いておりましたが、「この放送で、たくさんの方に気づいて欲しい。分かって欲しい」それが、伝わったかなぁ・・・?と、思っておりました。

一部では「なぜ危険な乗り物であることをもっと表にださないのか?」との反感もあったようですが、「そこ!間違いですよ♪」と、教えてあげねばなりませんね。

その方は、二輪との事故で障害を持ってしまったようですが、車との事故で障害をもった私は何といえばいいですか?人口の1人に1台以上の登録数のある自動車。危険な乗り物ですか?救急車、消防車、パトカー。全て車ですが、危険な乗り物ではありませんよね。運転者に問題があるのでしょう?違いますか?運転免許制度があることをご存知でしょう?もちろん、絶対安全とは申しません。ですから、車も絶対安全ではないのですし・・・。運転者が自分の技術を過信せずに、交通法規をしっかり守って乗る。これが出来ていないときに事故が発生するのでしょう?危険な乗り物ではないのですよ。

昨今の道路事情でバイク便等が活躍しているのもご存知ですよね。「間に合ってよかった」と感じたことはないですか?私は、オートバイが障害を持った今でも好きです。同じようにオートバイが好きな人がたっくさんいます。それを職業にしている人もいます。故意に事故を起こそうとしている人はだれもいません。運転者はその乗り物をちゃんとコントロール出きる事。これが、一番大切なこと。そして、交通法規が守れること。
それ以上の事柄を求めるのであれば、サーキットにいらっしゃい♪コースは、舗装を外れるとダートと言って、スピードが落ち、走行の妨げ(勢いを抑制する)構造ですし、よりスピードが高い所のダートには、グラベルと言ってそこにバイクが埋まって動力を止める構造もあります。縁石、ガードレールは遠いところにあります。歩行者は出てきません。一方通行で、対向車はありません。どこかで転んでも、サーキット内に救急車が配備されていますから、1分半で救急車が到着します。

色々な事を連ねて来ましたが障害者ライダーとしての私でなく皆さんと同じバイクメンとしての私ですから・・・。
まだまだ私のバイクも手を加えて「速くて、確実な操作」を求めて行きます。
色々な方から御意見等頂き、更なる躍進をして行きたいと思っております。
この度は色々と有り難う御座いました。


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